差し歯による歯茎の変色(メタルタトゥー)は、元に戻せますか?
2018年06月05日
差し歯にすると歯茎の周りが黒っぽく変色してしまっている方が多くいらっしゃいます。この現象を「メタルトゥー」といいます。
「差し歯にしたら歯茎は黒くなるもの」と思って諦めていませんか?黒くなる原因を知り、対処すれば改善できる場合もあるのです。
■なぜ差し歯をすると歯茎が黒くなるの?
歯の神経の治療後におこなわれる一般的な保険適応の差し歯は、歯の根っこに金属の土台を立ててその上に人工的な修復物を被せる方法でおこなわれます。歯茎が黒くなってしまう原因は、この土台に使われる金属や被せ物に使われている材料の金属が影響しているとされています。
〇黒くなる原因の金属とは…
差し歯をするための土台の芯や被せ物の内側に使われる金属は、「合金」が使われています。そして、合金の中に入っている「銀」成分が歯茎を黒くさせる要因なのです。
■銀が歯ぐきを黒く変色させていた?!
差し歯がもしもセラミックで作られていたとしても、内側には強度を保つために合金が張られている場合がほとんどです。そこで、どうしても金属が歯茎と接してしまいます。
そして唾液の影響で金属イオンが歯茎へ溶け出してしまい、中に含まれる銀イオンの作用で歯茎が変色するというわけです。
〇歯の内部からも変色する
また、土台にするために埋め込まれた芯の金属は、歯の内部の「象牙細管」という組織を通じて歯の根っこを黒く変色させてしまうことがあります。この色が歯茎も黒く見せる要因のひとつです。
■歯茎の変色「メタルトゥー」は元に戻せる?
まず、原因となっている銀イオンの溶出を止めるために、合金を使っていない「非金属」の装置に入れ替えることが必要です。ただし装置を交換しても必ずしも元に戻るとは限りません。長年歯茎が銀イオンの影響を受けている場合は、装置を変えても完全に元のピンク色の歯茎に戻らないこともあります。
〇装置を入れ替えても戻らない場合は…
装置を変えても歯茎の色が戻らない場合には、歯科用レーザーで歯茎の深層にある原因の色素を取り除く治療を施すという方法もあります。歯茎自体の変色なのか、歯茎内部の装置の問題なのか等によって装置を変えるだけで済むのか、レーザーを用いた方が良いのか等の判断は自分では難しいものです。まずは遠慮なく歯科医院に相談されることをおすすめ致します。