歯の土台をファイバーコアにするメリット
2018年06月10日
みなさんは自身のお口の中に入る修復物がどんな材質のものであるか理解して治療を受けていますか?日本では保険診療内の治療で使われる材料と保険外のもので材質に差があることがほとんどです。そこで今回、クラウンという奥歯などで使用される被せものの土台である「コア」について考えてみましょう。
■被せ物の予後を左右する「コア」とは?
虫歯が進行し神経が死んでしまった場合神経を抜かなければいけなくなります。神経を失った歯はもろくなりやすいため、噛む力に耐え得るためには歯の中心に丈夫な土台(コア)を立てて被せ物をします。
コアは上に被せるクラウンを支える基礎となる部分ですので、いわばコアはクラウンが長く使えるかどうかを左右するといっても過言ではありません。
■クラウンの土台(コア)に使用する材料
コアの材料には銀合金のメタルコア、金合金のコア、グアスファイバーとコンポットレジンのファイバーコアといったものがあります。保険適応の治療ではメタルコアが使われますが、他の2つは自費となり、メタルコアでおこなうよりも高額です。しかしそれだけのメリットも多く、特にファイバーコアはおすすめできる材料です。
■土台をファイバーコアにするメリット
自費治療で使われるコアには、金合金コアとファイバーコアがあります。銀合金に比べればどちらも優れた材質ですが、その中でも「ファイバーコア」がおすすめできるメリットをご紹介します。
〇柔軟性に優れた素材
金属製のコアに比べてファイバーコアは柔軟性のある素材です。歯の噛み合わせる面には大きな圧力がかかりますが、その柔軟な素材のお陰で圧力が分散され、歯の根っこにかかる負担を軽減することができます。
〇歯の色に影響しない透過性のある素材
金属のコアの場合、クラウンから金属色が透けてしまうことがありますが、ファイバーコアは素材の色もナチュラルな白っぽい素材で光の透過性もあるおかげで歯の色が気になるというデメリットがありません。
〇金属アレルギーや歯茎の変色を起こさない
金属アレルギーをお持ちの方はコアの金属でアレルギー反応を起こす恐れもあります。また、銀合金から銀イオンが溶出して歯ぐきを黒く変色させてしまうこともあります。コァイバーコアはこのような素材による悪影響が起こりませんので、身体に優しく安心してお口の中に使用することができる素材です。